調査背景
実際に物件を訪問しなくても、インターネット上でルームツアー動画やパノラマ写真など視覚的に「物件選び」をすることができるようになりつつある昨今、消費者の価値観や動向は変化しているかもしれません。
本調査は、消費者のレンタルサービスに関する利用実態や利用目的、ニーズについて自主調査を行い、消費者の基本的な意識を明らかにすることによって、本格的なインサイト調査の入口となる示唆を得る目的で実施しました。
調査概要
- 株式会社ヴィアゲートが提供するエモミルリサーチのアンケート機能を利用したWEBアンケート
- 調査の対象:モニター調査アプリ「エモミル」の登録モニターのうち、全国の10代〜70代の男女
- 有効回答数:425名(事前スクリーニングで「引越しをしたことがある」と回答した人)
- 調査実施日:2024年4月23日(火)~2024年4月28日(日)
①同居人数・居住形態・家賃
「同居人数」を年代ごとに分析して見ると、20代は1人(42.4%)が最多の回答で、次いで2人(30.3%)。30代は3人(30.9%)が最多の回答で、次いで2人(25.8%)。40代は1人、2人、3人、4人の回答がほぼ20%前後で均等に分布していました。50代は3人(28.6%)が最多の回答で、次いで2人と4人が26.5%です。60代以上は2人(61.1%)が圧倒的に多く、次いで1人(22.2%)という回答でした。
「居住形態」は全体で見ると賃貸「持ち家(一戸建て)」44%、「賃貸(アパート・マンション)」が34%という結果になりました。
年代ごとに見ると、20代の中で「賃貸(アパート・マンション)」回答した人は57.6%と最多に。次いで「持ち家(一戸建て)」が18.2%です。30代以降は「持ち家(一戸建て)」が最多という結果になりました。
「家賃」は、全体で見ると4万円未満と6~8万円がボリュームゾーンです。ただ年代で見ると、家賃金額に差が見られます。
20代では「4~6万円(30.3%)」が最多で、次いで「10万円以上(21.2%)」と「8~10万円(18.2%)」の割合で続いています。30代~40代は「6~8万円」がともに26%前後で最多の割合です。50代は「4万円未満(40.8%)
」が最多で、次いで「6~8万円(20.4%)」。60代以上は「10万円以上(38.9%)」と回答した人の割合が各年代の中でも非常に高い傾向がありました。
②物件選びの価値観
「自宅から徒歩15分圏内にほしい施設」としては、「スーパー」「コンビニエンスストア」「ドラッグストア」がトップ3という結果に。この3つの割合を年代ごとに見た際に、20代~50代で大きな違いはありませんでした。ただ、スーパーと回答した人は20代が、ドラッグストアと回答した人は50代が高い傾向が見られました。
「インターネット上で掲載してほしい物件情報」としては、「居室・リビングの写真」がすべての年代で高い関心を得ており、特に20代(27.6%)が最多の割合で、次いで40代(22.4%)です。
「風呂・トイレの写真」はどの年代も20%前後の関心がありました。
「キッチンの写真」は20代(17.2%)、30代(17.3%)など、若い世代での関心が高い傾向がありました。
また、「物件の外観の写真」は、60代以上で19.2%と最も高くなっておりますが、他の年代では4.6%~10.5%の範囲となっています。
若い年代が「暮らしの快適さ」を重視する一方で、60代以上は「外観の良さ」をある程度考慮して物件を選んでいると言えます。
③インターネットで掲載されている物件の写真や動画の影響について
インターネットで物件選びをする際に、掲載されている部屋の写真のクオリティーが契約意向にどの程度影響するかを調査した際、「影響する/まあ影響する」と回答した人は全体の81%となり、消費者が物件選びの際に写真からの情報を重要視していて、判断基準としても非常に重要な役割を担っていることが分かります。
20代が各年代で最も影響を受けやすく、50代は影響しているかの判断が2つに分かれ、60代は比較的影響を受けるものの全体的には影響を受ける人が少ないという結果になりました。
昨今物件検索サイトなどで増加している「パノラマ写真」や「ルームツアー動画」を見たことがあるかという質問に対しては、見たことがある人が全体の55%となっており、半数以上の人が物件の検討時に参考にしたことがあると言えます。
ではこの「パノラマ写真」や「ルームツアー動画」がどの程度「この部屋に住みたい」というモチベーションに貢献しているのかというと、「上がる/まあ上がる」と回答した人が全体の51%であることから、いつでも自分のペースで1枚の画像以上の情報を収集できるコンテンツは重要であると言えます。
④不動産会社に希望する関係性
「物件を紹介・提案してもらう方法」としては、条件に合う物件を前提として「たくさん紹介してほしい」と回答した人は全体の62%となっており、半数以上の人が比較検討できる情報をより多く収集したいという価値観を持っていることが分かりました。
「不動産会社を契約した決め手」としては、「希望条件に合う物件の情報を提供していた」「担当者の対応が丁寧・誠実だった」が全年代で共通して高い割合を占めていました。年代ごとで見ると、「住みたいエリアに精通していた」は20代(16.7%)が最も多く、「初期費用が安く済みそうだった」は40代(12.5%)が最も多くなっており、若い年代は「サポート面」、親世代は「金銭面」を判断基準として重視している傾向があると推測できます。尚「担当者の連絡が早かった」は60代以上(10.3%)が比較的高い割合を示しており、他の年代では10%未満となっていることから、年代が上がると「やりとりのスムーズさ」を求めていると推測できます。
■この調査で使用した調査サービスはコチラ
エモミルリサーチのアンケート機能:https://emomilresearch.com/product/
※この調査では実際にエモミルリサーチのダッシュボード上で表示されるグラフを利用しています。
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<例>「生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なうエモミルリサーチが実施した調査結果によると……」
■「エモミルリサーチ」
URL :https://emomilresearch.com/
このレポートの執筆者
土川 彩音
ヴィアゲート株式会社 / プロデューサー・デザイナー
「エモミルリサーチ」のプロダクトデザインやグラフィックデザイン全般を担当。プロデューサーとして企業のみなさまの調査設計サポートやコンサルティングをしております。キャンペーン企画やアカウントプランニング等も得意としておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。