調査背景
新型コロナウイルスが蔓延してから5年の時を経て、マスク着用は任意となった4月現在。
最新の消費者意識・行動の変化を確認するために、「考えの見直し」から1ヶ月経過した2024年4月19日(金)~2024年4月23日(土)にかけて調査を実施しました。
現在のマスクは「ファッション利用」のフェーズに移行したという仮説の元、調査①のスクリーニング設問「あなたはファッション、スキンケア、コスメ等について考えながら買い物をすることは好きですか。」への回答からファッションへのモチベーションの高さで以下2つのセグメントに分け、調査①と同一回答者に深掘りの調査をしました。
①「好き/まあ好き」:ファッションへのモチベーションが高い
②「まあ好きではない/ 好きではない/ どちらでもない 」:ファッションへのモチベーションが低い
調査概要
- 株式会社ヴィアゲートが提供するエモミルリサーチのアンケート機能を利用したWEBアンケート
- 調査の対象:モニター調査アプリ「エモミル」の登録モニターのうち、全国の10代〜70代の男女
- 有効回答数:939名
- 調査実施日:2024年4月19日(金)~2024年4月23日(土)
①マスクの着用意向
ファッションへのモチベーションの高い人で「着用したい」と回答した人が全体の48%なのに対して、低い人は全体の42%という結果に。6ポイント差ではあるが、ファッションへのモチベーションが低い人の方が、マスクの着用意向が低くなる傾向を発見しました。
また年代で着用意向を分析すると、年代が上がるにつれて「できるだけ着用したい」・「常に着用したい」と回答する割合が高くなる傾向が見られました。
②マスクを着用していた時期から、「見た目」にかける金額は変わったか
マスクを常に着用していた時期と現在を比較した際に、ファッションへのモチベーションが高い人・低い人の間ではファッション・スキンケア・コスメにかける金額の増加傾向に大きな差が見られました。
それぞれにかける金額を「増えた・まあ増えた」と回答した割合を見てみると、
モチベーションの高い人がファッションが18%、スキンケアが29%、コスメが25%増えたという結果に対して、
低い人の回答は、ファッションが5%、スキンケアが11%、コスメが8%増えたということで、
見た目にかける金額に明確な差があります。
これによって、ファッションへのモチベーションが高い人の中では、マスクを外すシーンを想定してスキンケアやコスメにかける金額を増やすような動きがあると推測されます。
③「現在マスクを着用している人」に聞く、よく購入する色
いずれも「白」と回答した人の割合が最も多いですが、ファッションへのモチベーションが高い人はピンク・ベージュ・グレーなど「バリエーション」を求めているのに対して、低い人は白・黒・グレーなど「スタンダード」を求めている傾向がありました。
またモチベーションが高い人は回答時に2~3種類の色を記述しており、使い分けをしていることが分かりました。
④「現在マスクを着用している人」に聞く、よく購入するブランドや場所
購入場所としては、ファッションへのモチベーションが高い人は品数が多くバリエーションが豊富な「Amazon/楽天などのオンラインショップ」などで500円〜2,000円程度の価格帯で購入しているのに対して、
低い人は「ダイソーなどの百円ショップ、ドラッグストア、ロハコ」などで100円〜1,000円程度の価格帯で購入している傾向があることが分かりました。
商品名やブランドとしては、購入場所に紐づいたプライベートブランド名を回答していますが、「一番安価なものを購入している、セール品を購入している、ブランド名が分からない」という回答が両者で一定数見られました。
⑤マスクを購入する際に、購入を決めた理由
オンラインショップでの購入体験を理由にしている人は高い人:20%、低い人:12%、店頭での購入体験を理由にしている人は高い人:29%、低い人:24%という結果になっており、いずれも検討中に「商品が目に留まった」ことが購入の動機になっています。
このことから、ファッション感度の高い人は「検討する商品の数と時間」が多い傾向があることが分かります。
⑥マスクをしない場合に困ること
コロナや花粉予防を除いた「見た目の状態」を気にする回答が、ファッションのモチベーションが高い人は44.8%なのに対して、低い人は38.6%という結果になりました。
ファッションのモチベーションが高い人の回答を年代で見てみると、20代は「化粧の方法(12.8%)」40代は「肌の状態(21.6%)」を気にする人が多くなっていました。
職業で見ると、会社員(事務系)、パート・アルバイトの回答者は、他の職業に比べて「肌の状態」を回答する人の割合が多い傾向がありました。
これらのことから、ファッションのモチベーションが低い人は、既に「マスクを外している自分」が日常生活の中で定着していると推測されます。
⑦他人のマスクへの興味関心はあるか
周囲の人のマスクのデザインを「見ている/まあ見ている」と回答した人は、ファッションへのモチベーションが高い人が39.1%なのに対して、低い人は17.3%と、結果に大きな違いが出ました。
「見ていない」と断言する人も、ファッションへのモチベーションが高い人が26.9%なのに対して、低い人は47.6%となっており、こちらも結果に大きな違いが出ました。
このことから、ファッションへのモチベーションが高い人は、自分の見た目だけではなく、周囲のファッション事情も気になる傾向が強く出ていると言えます。
⑧抗菌・抗ウイルス以外でマスクに求めるもの
抗菌・抗ウイルス以外でマスクに求めるものとしては、「耳が痛くならない」はどちらも1位になっており、マスクを着用している状態を快適にするという考え方は共通していると言えます。
特にファッションへのモチベーションが高い20代を見た際に、最も重視されているのは「自分の顔のサイズにぴったり合う(16.2%)」で、次いで「ファッションとの相性(紐・本体色・デザイン)(13.1%)」と「耳が痛くならない(13.1%)」という結果になりました。
ファッションへのモチベーションが低い人は「価格・使用感・コスパ(大容量)」重視でマスクを選ぶのに対して、高い人は「小顔に見える・メイクやファッションとの相性」重視でマスクを選ぶ傾向があることが分かります。
このことから、価格が安定して自由に趣向に合わせたマスクを選べるようになった今、ファッションのモチベーションが高い人はより自分を良く見せるアイテムの1つとしてマスクを見ており、それを実現できるようなマスクを求めていることが分かります。
■この調査で使用した調査サービスはコチラ
エモミルリサーチのアンケート機能:https://emomilresearch.com/product/
※この調査では実際にエモミルリサーチのダッシュボード上で表示されるグラフを利用しています。
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<例>「生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なうエモミルリサーチが実施した調査結果によると……」
■「エモミルリサーチ」
URL :https://emomilresearch.com/
このレポートの執筆者
土川 彩音
ヴィアゲート株式会社 / プロデューサー・デザイナー
「エモミルリサーチ」のプロダクトデザインやグラフィックデザイン全般を担当。プロデューサーとして企業のみなさまの調査設計サポートやコンサルティングをしております。キャンペーン企画やアカウントプランニング等も得意としておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。