スイッチングコスト

スイッチングコストとは、現在利用しているサービスや製品、ブランドを、他社のものに切り替える際に発生する費用のことを指し、「金銭的コスト」「物理的コスト」「心理的コスト」の3つに分類できます。

スイッチングコストを低くすると、手軽に商品やサービスを切り替えられるようになるので、他社から自社に顧客を流入させやすくなります。
一方で、スイッチングコストを高くすると、他社の商品やサービスへ簡単に切り替えにくくなるので、既存顧客を保持して売上を維持しやすくなります。

例えば、スマートフォンはスイッチングコストが高く、顧客が他社に移りづらい商品として代表的です。
契約している通信キャリアにもよりますが、他社に乗り換える際には、手続きにかかる時間や手間といった物理的コスト、解約手数料や違約金といった金銭的コスト、機種変更をしたい際には新しく操作方法も覚えなければならないといった心理的コストが発生します。

現在利用している製品やサービスを「提供している側」は、スイッチングコストをできるだけ高く設定すること、逆に新たな製品やサービスを「売り込む側」はスイッチングコストをできるだけ低く設定することがマーケティング戦略上では有効と言えるでしょう。

スイッチングコストが低い場合は、それだけ他社に流れる可能性があるため、既存顧客を保持するためにクーポンの配布やポイントカードの発行など、リピートを促すような施策を取り入れましょう。

このように、スイッチングコストは顧客のロイヤリティを高め、競合他社からの顧客奪取を防ぐ一因となり、企業は顧客の長期間利用を促進し、競争力を維持し続けることが必要です。
市場におけるシェアを拡大させるには、販売する商品やサービスの種類や質、価格だけではなく、このスイッチングコストを意識した戦略を考える必要があります。

尚、スイッチングコストは、乗り換えコスト、スイッチング費用とも呼ばれます。

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